居酒屋

先週から、駅前の居酒屋で働き始めた。
別に居酒屋で働きたかったという訳でもなく、4月から何か新しくバイトを始めようかと思い立ち、家の周辺をブラブラ歩っていたところ、「アルバイト募集!」の張り紙を発見し、家に帰って書かれていた電話番号に電話した。面接を受け、次の週には採用が決定した、という事だ。

今まで数々のアルバイトを経験してきたが、「接客」という身分で雇われたのはこれが初めてである。接客に若干苦手意識があるが、お店自体はそこまで広い訳でもなさそうだったので、これなら自分でも出来るかなあと考えた。

一昨日、2回目の出勤だった。開店準備から始まり、お客さんが来たらお通しを出し、メニューを渡し、オーダーをお伺いする。慣れてくればルーティーンワークみたいに出来るんだろうけど、まだまだぎこちなく接客している。料理は作らないが、飲み物は自分で作って提供する。日本酒や焼酎の種類を覚えるのに苦戦している。

昨日、4人組の30代~50代のお客さんがきた。
料理を何回か運んでいたら、外大生ですかとお客さんから不意に声を掛けられ、それからずっとその方々と話し込んでいた。
きけば、その方々は教師であった。教師と聞いた途端少し身構えてしまったのだが、「こんな私でも教師なんだよ??あり得ないよね~」と語る目の前の顔を赤くした女性を見たら、何だか笑ってしまった。

学校の先生って、基本的には真面目で、怒ると怖い。時々ユーモアあり。みたいに思っていたのだが、教師にも色々な人がいるんだなあと。「職業」としての教師を意識させられた瞬間だった。こんな酔っぱらって無防備になっている先生の姿、居酒屋の店員でもしてなかったら一生見られなかっただろうなあと思う。ここで働き始めて良かったなと思った。

その4人組の先生の内の一人に、アナタは笑顔が素敵ね。アナタを見てると、アナタを育てたご両親の人柄の良さが手に取るように分かるわ、と終始言われた。へぇそんなもんかと思い、別に僕の親は大した事ないですよと返したら、いや、私には分かる、と。たまには実家に帰って、ご両親を大切になさい、と言われた。分かりました、と、笑顔で応えた。

お客さんによって、その居酒屋に足を運んだ意味が異なっている事に気が付いた。
友達と楽しく呑みに来た人や、一人で仕事帰りに来る人。夫婦でしっぽり呑むために来た人。色んな形があって、接客をしているとそれぞれの雰囲気が感じ取れて面白い。

ここで最後に、接客は奥が深い、とかカッコいい事を言って締めれば良さそうなものだが、
いやぁ、賄いが美味しいからバイトが楽しいんだよ、実は。

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